「営業日報をExcelで管理しているが、集計が面倒」「入力が手間でメンバーが続かない」——そんな悩みをお持ちではないですか?Googleが提供するノーコードツール「AppSheet」を使えば、プログラミング不要で本格的な営業日報アプリを作れます。この記事では、Googleスプレッドシートをデータソースにした営業日報アプリの作り方をゼロから解説します。
AppSheetはGoogleが2020年に買収したノーコードプラットフォームです。スプレッドシートをデータベースとして、スマートフォン・PCで動作するアプリを数時間で構築できます。無料プランでも十分な機能が使えるため、中小企業の業務改善に最適なツールです。
この記事でできること
- スプレッドシートと連携した営業日報アプリの構築
- スマートフォンからの日報入力・閲覧
- 上長への自動通知設定
- 月次レポートの自動集計ビュー作成
事前準備(10分)
以下のものを用意してください。
- Googleアカウント(無料)
- Googleスプレッドシート(新規作成)
- AppSheetアカウント(Googleアカウントで無料登録可)
まずGoogleスプレッドシートに以下の列を作成します。
A列: 日付
B列: 担当者名
C列: 訪問先
D列: 活動内容(訪問/電話/メール)
E列: 商談ステータス(初回面談/提案/見積/受注/失注)
F列: 金額(円)
G列: 次回アクション
H列: 備考
I列: 入力日時(自動)
ヘッダー行を1行目に入力したら、シート名を「日報データ」に変更しておきましょう。
STEP 1:AppSheetでアプリを作成する
AppSheet(appsheet.com)にアクセスし、Googleアカウントでログインします。
- 「Start for free」からログイン
- 「Create」→「App」→「Start with your own data」を選択
- 先ほど作成したGoogleスプレッドシートを選択
- アプリ名を「営業日報」などに設定して「Create App」をクリック
AppSheetがスプレッドシートの列を自動認識してアプリのひな形を作成します。この時点でスマートフォンからデータの入力・閲覧ができる基本アプリが完成しています。
STEP 2:カラム設定を最適化する
左メニューの「Data」→「Columns」から各列のデータ型を設定します。
- 日付:Type を「Date」に変更
- 活動内容:Type を「Enum」に変更し、「訪問」「電話」「メール」を選択肢として登録
- 商談ステータス:Type を「Enum」に変更し、各ステージを登録
- 金額:Type を「Price」に変更(自動でカンマ区切り表示)
- 入力日時:Type を「DateTime」、Initial value を「NOW()」に設定(自動入力)
担当者名は「担当者マスタ」シートを別途作成し、Refタイプで参照設定すると選択式になり入力ミスを防げます。
STEP 3:ビュー(画面)を設計する
左メニューの「UX」→「Views」からアプリの画面構成を設定します。
- 日報入力フォーム:View Type「Form」で新規入力画面を作成
- 日報一覧:View Type「Table」で一覧表示。Sort設定で「日付」降順にする
- マイ日報:View Type「Gallery」、Filterで「担当者名 = USEREMAIL()」を設定して自分の日報だけ表示
- 月次サマリー:View Type「Chart」で金額の月別積み上げグラフを作成
「月次サマリー」ビューの設定例:
Chart Type: Bar Chart
X-axis: MONTH(日付)
Y-axis: SUM(金額)
Group by: 商談ステータス
STEP 4:自動通知・承認フローを設定する
左メニューの「Automation」→「Bots」から自動化を設定します。
日報提出時のメール通知設定:
- 「New Bot」を作成
- Event:「When a row is added」(日報データシート)
- Action:「Send an email」
- Toに上長のメールアドレス、件名に「【日報】<<担当者名>>さんが日報を提出しました」を設定
- 本文に各フィールドの値を埋め込む
受注時のSlack通知(Webhookを使用):
Event: When a row is added or updated
Condition: [商談ステータス] = "受注"
Action: Call a webhook
URL: https://hooks.slack.com/services/YOUR_WEBHOOK_URL
Method: POST
Body: {"text": "🎉 受注!担当: <<担当者名>> 金額: <<金額>>円"}
動作確認とトラブルシュート
トラブルシュートチェックリスト
- ✅ スプレッドシートへの書き込み権限があるか(Googleアカウントを確認)
- ✅ Enumの選択肢が正しく登録されているか(Data → Columns で確認)
- ✅ 通知メールが届かない場合は「Security → Require sign-in」を確認
- ✅ スマートフォンで表示が崩れる場合はView設定のResponsiveを有効化
- ✅ データが更新されない場合はSync間隔の設定(Manage → Integrations)を確認
応用:さらに便利にする拡張アイデア
- GPS位置情報の記録:LatLong型のカラムを追加し、訪問先の位置を自動記録する
- 写真添付機能:Image型のカラムを追加してスマートフォンから名刺・提案資料を撮影保存
- GASとの連携:月次になったタイミングでGASで集計しPDF化して自動メール送信
- 承認フロー:ChangeData機能でワンクリック承認ボタンを設置して上長確認を効率化
- 地図ビュー:Map Viewで営業活動エリアを可視化してテリトリー管理に活用
まとめ
AppSheetを使えばプログラミング不要で本格的な営業日報アプリが作れます。Googleスプレッドシートとシームレスに連携するため、既存のデータ資産をそのまま活用できる点も大きな強みです。
- スプレッドシートをデータソースにしてノーコードでアプリ化
- Enum型で入力ミスを防ぎ、データ品質を向上
- Automation機能で日報提出時の通知・承認フローを自動化
- Chart ViewやGASとの連携で月次分析も効率化
- 無料プランで最大10ユーザーまで利用可能
AppSheetの詳細な設定方法や、貴社の業務フローに合わせたカスタマイズについてお気軽にご相談ください。


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